進行した歯周病でも、
歯を抜かずに治療できる
可能性があります
歯周組織再生療法とは
歯周病は進行するまで自覚症状の少ない病気です。そのため、気付いたときには病気が進行して、歯を支える歯槽骨などの歯周組織が破壊され、歯を抜かなければならない場合もあります。
歯周組織再生療法は、その名のとおり歯を支えている歯周組織を再生する治療法です。この治療を受けることで進行した歯周病でも歯を抜かずに治療できる可能性があります。
深いポケットの原因となる骨のくぼみを平均75%程度まで改善し、歯を支える構造を増やすことによって、重症な歯をよみがえらせ、長期的に維持するための治療法として患者さんのお役に立っています。
また、再生療法は歯を残したい患者さんだけでなく、歯周病で骨が減り、歯を失った患者さんがインプラントをご希望になる際も活躍しています。
当院では、エムドゲイン法とリグロス法のどちらかを選択していただくことができます。
エムドゲイン
エムドゲインは、優れた治癒効果、低い手術合併症発生率および長期的臨床効果により(他の治療法と比較して)高い満足を得られていることが20年以上にわたって証明されています。
リグロス
リグロスは保険内治療として近年厚生労働省に認可されたため、エムドゲインよりも比較的安価で治療できる再生療法の治療薬です。
リグロスの成分は細胞を増やす成長因子で、この成長因子の作用により歯周病で破壊された歯周組織の再生を促進する治療法です。フラップ手術で、プラーク・歯石などを取り除いた後に歯槽骨の欠損
部にリグロスを塗布し、歯を支えている歯周組織の再生を促します。
リグロスと同じ成分は、すでにやけどや床ずれなどの治療に使用されています。
歯周組織再生療法の適応症
エムドゲインやリグロスを塗布すれば歯周病が完治する、というわけではなく、失った歯槽骨の欠損状態によっては、再生が期待できない場合があります。
水平的に歯槽骨が吸収していて周りに残りの歯槽骨が少ない場合や、垂直に吸収しているがその幅が広く角度も大きい場合はリグロスやエムドゲイン単独による歯周組織再生の期待は薄くなってしまいます。
また、この治療は歯肉を切開・縫合する外科手術です。非常にデリケートな治療のため、治療前後の徹底した歯磨きの訓練が必須条件になります。